仕事を辞めたいときに考えるべきこと

「もう仕事を辞めたい」——そう感じる瞬間は、真面目に働いている人ほど、ふとしたきっかけで訪れることがあります。ただ、その…

2026.08.29 公開

「もう仕事を辞めたい」——そう感じる瞬間は、真面目に働いている人ほど、ふとしたきっかけで訪れることがあります。ただ、その気持ちのまま勢いで結論を出してしまうと、後になって「もう少し整理してから決めればよかった」と感じるケースも少なくありません。関連記事: 仕事に行きたくないと感じたときの原因と対処法では、「行きたくない」という気持ちの背景や一時的な対処法を扱っていますが、この記事では一歩進んで、「辞めたい」という気持ちが続いている場合に、実際に行動へ移す前に何を考えておくとよいかを整理していきます。

まず確認したいこと:一時的な気分か、続いている状態か

ビジネススーツの人がデスクで考え込んでいる。

「辞めたい」という気持ちには、大きく分けて二つのパターンがあるといわれています。一つは、特定の出来事をきっかけに一時的に強まる気分。もう一つは、数週間から数ヶ月にわたって同じような不満や違和感が続いている状態です。まずは「これは今だけの気持ちか、それとも前からずっと続いているものか」を、自分の中で振り返ってみることが最初の一歩です。

見極めの目安として、以下のような点をチェックしてみると整理しやすくなります。

  • 特定の出来事(トラブル対応や上司からの指摘など)の直後だけ強く感じるか、それとも普段から慢性的にくすぶっているか
  • 週末や休暇を挟むと気持ちが軽くなるか、それでも変わらないか
  • 「辞めたい」と感じる場面が特定の業務や特定の人との関わりに限られているか、仕事全体に及んでいるか

一時的な気分であれば、少し時間を置いたり、気になる点を一つずつ解消したりすることで気持ちが落ち着く場合もあります。一方、同じ違和感が長期間続いているようであれば、環境そのものを見直す段階に来ている可能性があるといえるでしょう。

「辞めたい」と感じる背景によくある理由

明るいオフィスで、求職者が辞職理由を考えている。

「辞めたい」という気持ちの背景には、人によってさまざまな事情がありますが、よく挙げられる理由には次のような傾向があります。ここに挙げるのはあくまで一般的な分類であり、当てはまるものが一つとは限りません。複数の理由が重なって気持ちが強くなっているケースも多いとされています。

仕事内容のミスマッチ

ビジネススーツの人がデスクでノートを取りながら、求人サイトを見つめている。

担当している業務が自分の適性や興味と合っていない、やりがいを感じにくい、業務量が多すぎる(あるいは少なすぎる)といった、仕事内容そのものに関する要因です。入社時の期待と実際の業務内容にギャップがある場合や、成長を実感しづらい状態が続いている場合に強まりやすいといわれています。

人間関係

上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない、職場の雰囲気に馴染めないといった悩みも、よく挙げられる理由の一つです。特定の相手との関係が原因の場合と、チーム全体の風土が要因になっている場合とでは、対応の方向性が変わってくることもあります。

待遇面

給与や休日日数、評価制度への納得感の低さなど、待遇に関する不満が背景になっているケースもあります。同業界・同職種の一般的な水準と比べて自分の待遇がどう位置づけられるのかを、求人情報や公的な統計などで確認してみると、感覚と実態のズレが見えてくることがあります。

健康面

睡眠の質や疲労の取れ方、気分の落ち込みなど、心身の状態が「辞めたい」という気持ちに影響していることも少なくありません。心身の負担が背景にある場合、環境を変えるだけでなく、まずは休養や専門家への相談が優先されるべき場合もあります。

衝動的に決めないために大切な視点

「辞めたい」という気持ちが強いときほど、勢いで結論を出したくなるものですが、いったん立ち止まって考えることをおすすめします。大切なのは、その気持ちが「何によって」引き起こされているのかを、少し時間をおいてから整理してみることです。行動する前に一度立ち止まり、状況を整理する視点を持てるかどうかが、後悔の少ない決断につながる場合があります。

実際によくある失敗パターンとして、「強い怒りや疲労を感じたその日のうちに退職を申し出てしまい、後から条件面や次の仕事の当てを整理していないことに気づく」という例が挙げられます。これはあくまで一般的に見られる傾向であり、特定の個人の体験ではありませんが、感情が強く動いているタイミングでの即断は避け、最低でも数日から数週間は気持ちの変化を観察してみることが一つの目安になるとされています。

辞める前に試したい具体的なステップ

信頼できる人に相談する

家族や友人、信頼できる同僚や先輩など、一人で抱え込まずに今の気持ちを話してみることは、気持ちを整理する助けになります。話す相手によって見えてくる視点が変わることもあるため、社内・社外それぞれに一人ずつ相談先を持っておくと、偏りのない判断材料が得やすくなります。

状況を書き出して整理する

何が具体的にしんどいのか、どの部分に不満を感じているのかを紙やメモに書き出してみると、漠然とした気持ちが具体的な課題として見えてきます。「業務内容」「人間関係」「待遇」「働き方」といった項目ごとに分けて書き出すと、どこに一番の要因があるのかが整理しやすくなります。

退職以外の選択肢がないか考える

部署異動を相談する、業務内容の見直しを申し出る、会社によっては休職といった制度が利用できる場合もあります。退職はあくまで選択肢の一つであり、唯一の答えではないという視点を持っておくと、判断の幅が広がります。制度の利用を検討する際は、就業規則や社内規程を確認し、人事担当者に一般的な制度として問い合わせてみるとよいでしょう。

今の職場で改善できる余地を確認する

「辞めたい」と感じている要因の中に、上司への相談や業務フローの見直しによって解消できるものが含まれていないかを確認することも大切です。すべての不満が環境を変えなければ解決しないわけではなく、話し合いによって状況が変わる場合もあります。

心身の不調が続く場合は、専門家への相談を

強い倦怠感が続く、眠れない日が続く、食欲がない、気分の落ち込みが長引いているなど、心身の不調と感じられる状態が続いている場合は、自己判断で対処を続けるのではなく、医療機関(心療内科・精神科)やカウンセラー、産業医、地域の相談窓口といった専門家に早めに相談することをおすすめします。厚生労働省が運営する「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)では、匿名・無料での相談窓口が案内されていますので、身近に相談先が思いつかない場合の選択肢の一つとして知っておくと安心です。

それでも「辞める」と決めたら

気持ちを整理し、信頼できる人に相談し、退職以外の選択肢も検討したうえで、それでも「今の仕事を辞める」という結論に至ることもあるでしょう。その場合は、退職の意思を伝えるタイミングや引き継ぎの進め方、退職後の生活費や保険・年金の手続きなど、実務的に確認すべき点が多く出てきます。上司への伝え方や退職の切り出し方については退職の伝え方で具体的に解説しています。また、退職後に転職を考えている場合は、転職活動の始め方・進め方で、何から手をつければよいかをステップごとに紹介していますので、あわせて参考にしてください。

まとめ

「仕事を辞めたい」という気持ちが浮かんだときは、それが一時的な気分なのか、続いている状態なのかを見極めることが最初の一歩です。仕事内容、人間関係、待遇、健康面など、背景にある理由を整理し、衝動的に決めるのではなく、信頼できる人への相談や状況の書き出し、退職以外の選択肢の検討といったステップを踏んでみてください。心身の不調が続く場合は、早めに専門家へ相談することも忘れないようにしましょう。

よくある質問

「辞めたい」と思ったら、すぐに退職を伝えるべきですか

必ずしもそうとは限りません。まずはその気持ちが一時的なものか続いているものかを見極め、背景にある理由を整理したうえで判断することをおすすめします。

誰に相談すればよいか分かりません

家族や友人、信頼できる同僚・先輩などが身近な相談相手になります。社内に相談しにくい場合は、地域の相談窓口や厚生労働省の「こころの耳」のような公的な窓口を利用する方法もあります。

部署異動や休職は誰でも利用できますか

制度の有無や利用条件は会社によって異なります。利用を考えている場合は、就業規則を確認したり、人事担当者に一般的な制度として問い合わせてみたりすることをおすすめします。

「辞めたい」気持ちが体調不良を伴う場合はどうすればよいですか

強い倦怠感や不眠、食欲不振などが続いている場合は、自己判断で対処を続けず、早めに医療機関やカウンセラー、産業医などの専門家に相談することをおすすめします。

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この記事の執筆者

編集部 隼人キャリアマイスター

過去10年間、人材業界でのビジネスに携わってきた経験をもとに、求職者の皆さまへわかりやすく情報をお届けしています。

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